文武に秀でた平安時代の武将、源義家(八幡太郎)は、五月人形のモデルともいわれていますが、この鍔も源義家に由来するものです。
「吹く風を 勿来の関と 思へども 道もせに散る 山桜かな」
(「来る勿(なか)れ」という名の勿来の関、吹く風も来ないでほしいと思うのだが、道をふせぐくらいに山桜の花が散っている)
福島県いわき市にあったという「勿来(なこそ)の関」で源義家が詠んだとされる和歌で千載和歌集にも収められている一首。
義家の詠んだ「勿来の関」を表現するとき、多くは山桜の中を振り返る騎馬武者の姿、もしくは山桜と馬の組み合わせをとり、盛りの春を惜しむ様子がうかがえます。
こちらの鍔は140gとずっしりした存在感のあるものです。堂々とした姿の御刀におすすめしたい鍔です。