岩にぶつかったからか、水しぶきが大きく上がる川と、力強く跳ねる鯉。裏面にはその下流と川辺の草が描かれています。表面の遠景には山並みも見えますが、主役はあくまで鯉、そして波です。
鯉は滝を登ると龍になるという伝説があり、立身出世のかたちとして多くの刀装具などにも描かれてきました。端午の節句に飾られる「鯉のぼり」も、もとは同じ立身出世を願うものです。
やや角ばった木瓜形で仕組んだ時に拵えが転がりにくくなります。大きさや重さは標準的で、常寸と呼ばれる2尺3寸5分程度の御刀にちょうどいい大きさです。