鏃は「やじり」と読み、矢尻とも書きます。弓矢の矢の先端に取り付ける刃物です。
狩猟のために作りだされた、初歩的な道具の一つで、出土品や特に古い古典などにも登場する、馴染みの深い武器です。
透かされているのは上が平根、下が雁股という種類。どちらも刺すための鏃というよりは射切るための鏃。
平根は彫りを施して観賞用とされることもあり、雁股はその形の面白さからも描かれることが多い鏃です。
また弓矢は愛染明王の持物(じもつ/仏像が持っているもの)としても有名です。軍神として信仰の対象とされてきた、愛染明王を思い起こされる物としても武具に描かれることが多かった物の一つです。