刀を腰に差した時に目に留まりやすい、鍔の表面の右半分に、(前から)張飛・劉備・関羽が描かれています。
張飛はギョロっとした目に虎髭、精悍さを表現した褐色の肌。足元には愛用の武器とも言われる蛇矛(じゃぼう)が置かれています。
関羽は長い髭をなびかせながら偃月刀(えんげつとう)を持つ、お決まりの姿で描かれています。
そして真ん中の劉備が持つのは盃。つまり、この鍔に描かれているのは三国志の中でも序盤に描かれる、桃園の誓い(桃園結義)の場面。三人は宴席で義兄弟となる誓いをし、盃を酌み交わしたという逸話です。
日本で広く知られていた「三国志」は正しくは「三国志演義」のこと。 17世紀に翻訳本が発刊されると、庶民の間でも広く知られる物語になりました。
藻柄子宗典に代表される彦根鍔は、美濃彫のような高彫に秋草図や和漢の合戦図などを描くのを得意としていました。
鑑定書付でもあり、観賞用としておすすめしたい1枚です。
素材 |
鉄地鋤出高彫地透象嵌 |
重さ |
114g |
縦 |
74.0㎜ |
横 |
70.0㎜ |
耳厚 |
5.0㎜ |
切羽厚 |
6.0㎜ |
鑑定書 |
日本美術刀剣保存協会 保存刀装具鑑定書 |
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