今の状態で鍔の掟を当てはめると、金象嵌で描かれた唐草の模様の面が表になりますが、元は今とは逆の面が表だったかもしれません。
現在の裏面に描かれているのは様々な宝物。一番上に方勝(ほうしょう)、その他わかる限りでは巻軸(まきじく)、丁子(ちょうじ)、隠れ蓑。そのほかに2つ以上の宝物が確認できます。
江戸時代中期に文人趣味(中国の古典や漢詩などをもとに詩・書・画などを楽しむ)が流行しており、おそらくその頃のものと考えられます。
煌びやかに金で描かれた唐草が、右斜め下に向かって剥落しているのは仕組む鍔として使用され、また日常的に腰に差された拵だったからこそ。剥落は着物の裾や羽織でこすれたのも原因です。江戸時代からの息遣いが伝わってきます。
重い一枚ですので、しっかりした重さのある御刀におすすめです。
素材 |
鉄地金銀象嵌 |
重さ |
178g |
縦 |
73.6㎜ |
横 |
72.8㎜ |
耳厚 |
4.2㎜ |
切羽台厚 |
4.3㎜ |
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