満開の、でも一瞬の季節の桜を描いた一枚です。
銘の「長州萩之住八道作之進友久作」は「(現在の山口県にあたる)長州藩の萩に住む(名字)八道(通称)作之進(名前)友久が作った」という意味になります。
長州藩は鍔を他藩に盛んに輸出するなど、藩が鍔を作られていたこともあり、長州鍔は作例数も残っている数も恐らく日本一、と言われています。
「長州鍔」としては元禄頃(1690年頃)に名称や様式などが定まったとも考えられており、今でいう古萩や古長州といった鍔が作られていたところに埋忠明寿の一門が移住してから始まったと古来、言われています。ただし出来は埋忠明寿よりも正阿弥のものに近く、正阿弥にこそルーツがあるのではともいわれます。
この鍔の作者である友久は長州鍔の作家として著名な中井・河治に次ぐ家の1つである八道家の出身です。八道家の系図などがないため、どこの系統から出ているかは不明であるものの、名の残る鐔工の一人です。
この時代の長州鍔らしい、真丸な透かし鍔です。仕組むのであれば短めの御刀におすすめの一枚です。
素材 |
鉄地 |
重さ |
90g |
縦 |
77.3㎜ |
横 |
77.2㎜ |
耳厚 |
4.6㎜ |
切羽台厚 |
4.7㎜ |
時代 |
享保頃(江戸時代中期・1725年頃) |
鍔箱は付属しません
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